どのようなハッキングからも身を守ることができる,セキュリティーツールは存在するのだろうか。まるで神々しくまばゆく輝いて見えるそんなツールの存在は,果たして「明」の側から出現するのか?「暗」の側から出現するのか? それともそんなものは存在しないのか?
7月9日から開催予定のハッカーの祭典デフコンで,ウインドウズマシンを乗っ取ることができる「バック・オリフィス」のバージョンアップ版,2.0がリリースする。バック・オリフィスはトロイの木馬の一種で,メール添付ファイルとして侵入し実行されると,管理ツールを持っている者の手でインターネットを介してPCを自由に操作されてしまう。もちろん全ファイルを削除することも可能だ。セキュリティーメーカーは,2.0にもセキュリティーソフトを対応させる作業を今週末に行う予定。だが,バック・オリフィスを制作したハッカー集団カルト・オブ・ザ・デッド・カウは,近い将来,強力なセキュリティツールをリリースする予定だという(@_@)。メンバーの一人は,他のアンチウイルスベンダーが今日実現できる範囲をはるかに超えた,強力なシステム防御手段になると信じている,とコメントしている。
ウインドウズのわからないところは,なぜこんな↑不可思議なことが起こり得るのかということ。バック・オリフィスの制作者たちは,バック・オリフィスのことをリモート管理ツールと呼ぶ。確かに,そう使えば使えてしまう代物だったりする。会社のPCに自宅のPCからアクセスできたりもする。問題はクライアントマシンの利用者がまったく気付かずにそんなことをされてしまう,ということ。では,なぜ,そんなことが行えるのか。まったくもって基本的な,マイクロソフトのOSが持つセキュリティーホール,の問題である。
各セキュリティーベンダー各社もいい迷惑という感じだろう。新たなウイルスが出たらそれに対応し,新たなセキュリティーホールが見つかったらそれに対応し,とまさにイタチごっこ状態。カルト・オブ・ザ・デッド・カウのセキュリティーツールはそれを上回るという。セキュリティーベンダーとしての威信をかけた戦いの一幕,ともなりそうな…。さらなる大きな動きを生むかもしれない。
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